片思いlovers
「ちょっと・・・ホントに行く気?」
「なに?怖いのー??」

そんな会話をしながら後ろ向きになって歩いていると・・・

ドンッッ

誰かとぶつかってしまった。

「わわっすいませんっ!!」
謝りながら顔を上げると相手は田原だった。

「葛城じゃん!きてくれたんだあ!!」
すごく嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

そして、そのまま話し始めた。
「俺な、1年だけどベンチ入りはできたんだ!」

まぁ、試合に出れるかは別だけど、といいながらも良い報告だ。
うちの高校のサッカー部は結構強いし、それなりに人数もいる。
その中で、一年生にしてベンチに入れるというのは相当上手いんだろう。

「そっかあ!よかったね、がんばってね」
「おぉ!」

軽くしゃべってその場を離れたけど、私の心臓はばくばくだった。

「よかったねぇ?」
少し嫌み混じりにいってくる結衣に言い返してみた。

「よかったよ?会えなくて残念でしたぁ!」

そう言うと結衣はいつもと違う反撃に驚きながらも、「恋の力だね」とか言っていた。


そんなことをしているうちに、もうすぐ2試合目が始まる時間になった。



< 25 / 75 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop