片思いlovers
「よかったぁ・・・」
そうつぶやいていた。

今日は本当に幸せだったと思う。

勝ったのはもちろん、田原の姿を見ることができたから。


会場を出ようと荷物を片づけていると、電話がかかってきた。


「はい」

「あ、葛城?あのさ・・・」

田原だった。
前、かけてきたときから番号を残しておいたらしい。

そして
一緒にかえってほしい

そういわれた。

返事をすると即座に電話をきり、結衣に向き直った。

「結衣っごめん!先帰ってて!」

そう言うと結衣は何か分かったようにほほえむと、「わかった」とだけ言って、帰路についた。


申し訳ない気持ちと、嬉しい気持ちが混ざっている。
こんな気持ちになるなんて思っていなかった。

でも、今まで以上に好きの気持ちが大きくなっていることに気づいた。

つきあえたら、そんなことまで願ってしまっていた。
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