片思いlovers
**千花side**

待ち合わせ場所にいってもまだ田原は来ていなかった。

来るまでの間今までのことを何となく振り返っていた。

・・・田原のことを好きになるなんて思ってなかったな・・・
それまでなんか恋愛なんて興味なくて、好きになったこともなくて・・・

そう思うと、すごい変化だと思う。
言い換えれば恋がものすごい影響力を及ぼしていることになる。


顔を上げると、田原が走ってくるのが見えた。
その表情は私の好きな笑顔。

「ごめん、待った?」
ぶんぶんと首を振ると「じゃあ帰ろっか!」と歩き出した。

そう言えば、帰るのを誘ってくれたのはどうしてだろう。
もしかして、私の気持ちを知ってしまってふられるかも!?

悪い方へと考えが行ってしまう。

「なあ」
唐突に田原が喋り出した。

「一個聞いても良いかな?」

あ、やっぱそうなんだ・・・

涙がでそうになる。
どうしよう

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