片思いlovers
**祐side**
自主練までして、一人教室に戻る。

「やっべ・・・電車っ」
一人でつぶやきながら教室のドアを開けた。

誰もいないと思っていた教室には・・・葛城がいた。
しかも寝ている。

部活でもないのにこんな遅くまで教室にいるなんて珍しい。


俺は今年初めて葛城と同じクラスになった。
男子女子関係なく同じ態度で接している葛城はとても格好良くみえた。
今まで見てきたヤツにはこんなのはほぼいない。


近づいて顔をのぞき込むも、一向に起きる気配がない。
・・・こんだけ寝れるのもすげぇぞ・・・?

しかし、下校時間も近いし起こさないとまずい。

「葛城っ!葛城っ!」
呼んでみるとと目を覚ました。
そして今どこにいるのかも分からないような顔をして焦っている。

そんな様子を見ているとつい吹き出してしまった。


可愛い、ふいにそんなことを思った。


二言三言言葉を交わしたあと、教室を出ようとする彼女をつい呼び止めていた。

「・・・一緒に帰らない?」
自分でも驚いた。
こんな大胆なことを自分の口から言うなんて。

顔が赤くなるのが分かった。
恥ずかしくて教室を逃げるようにでた。

なんて思われたかな
そんなことを考えている自分にも笑ってしまった。

あぁ、俺はきっと葛城が好きなんだ・・・

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