片思いlovers
**千花side**

何だったんだろう?
そんなことを考えながら玄関へと向かう。

時間が遅いためか、もう部活動をしている生徒達の姿も見あたらなかった。


玄関を出たところで、田原が柱に寄りかかっているのが目に入った。

「ごめん、急に・・・」
近づいていくとそんなことをいわれた。

「別にいいよ、そんなの」
何となく冷たい返答をしてしまう自分が嫌だった。

さっきは嬉しかったのに。
嬉しい気持ちはあるが、それが素直に現れない。

「・・・どーした?」
心配そうに顔をのぞき込まれて心臓が一段と大きく跳ね上がった。

あんなことを考えていたからか、変な顔をしていたようだ。

「大丈夫・・・帰ろ?」


・・・さっきよりは素直に言えただろうか。
変に意識してしまう気持ちを抑えつつ、帰路につく。





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