片思いlovers
・・・いやいや
別に田原のせいじゃあないんだよ・・・

私が勝手に・・・だから。

そうはっきり言えればよかったけど、なぜか言えなかった。


ただの意気地無しなんだよね、きっと。


「ううん」

そういっておいたけどやっぱりどこかかみ合ってない感じがする。


分かってくれたのは嬉しい。
だけど、これで終わるような感じじゃないな、とも思っていた。

田原が分かってくれたとしても、自覚はないけどもてている田原のことを、先輩達が好きな可能性は決して少ない訳じゃないだろうし。


ああ・・・ホントに気が重いよ・・・


いつの間にか涙はかわいていたけど、心は半分くらいは落ち込んだままで。

自分でだってどうしたらいいのかとか、それ以前にどうしたいのかも分かってない状態だから、何とも言えないんだけどね。


田原は優しいからきっとこれから気を遣ってくれるんだろうな。
そう思うと部活内でもそんな風じゃいやだろうし、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

< 55 / 75 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop