片思いlovers
何回この道をあるいても千花とだったら飽きないし。

他の人たちから見たらたいしたことないような日常なんだけど、俺にとっては嬉しくて幸せなんだよな・・・


・・・俺は絶対ないからいいけど、千花に変な虫が付きませんように!!

一番それが今思うことだった。


「千花。」

一言呼んでみる。

「ん?なに?」


さもそれが当たり前であるかのように、返事が返ってきた。
・・・じゃあこういったらなんて言うかな?
少し意地悪したくなって来てしまった。
「・・・俺は好きだよ?ずっと」

なんて返事が返ってくるかな?

「あたしも!」
予想以上にためらわず、言い切った。
こっち向いてはくれなかったけど、いまはいいや。

「祐なんかより、ずっとすきなんだから!」
・・・うわ、効いた。今の言葉は。

横顔を見ててもわかるくらい、耳まで真っ赤。
俺の、だよな。

いつも別れる交差点の小さな公園の前でふと足をとめ、後ろから抱きしめてみた。
「なっ・・・ゆ、う」
恥ずかしい、よな。俺もだけど、でもいいや。

「ちょっとだけ。」
もう何も言わなかったけど、袖口をつかむ千花の手が拒否ってはないようにみえた。

「・・・もぅ」

それだけ。

それだけで十分だよ。
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