Real Love...?






ふと気づくと
誰かが私の前に倒れていた。




「……春。」


「…翔くん?」




苦しそうな翔くんは
私の手を握り締めた。




「翔くん、どうしたの?」

「春、ありがとう…。
春のこと忘れないから…」




苦しい表情の中に
笑顔を浮かべる翔くん。



「待って…翔くん…
翔くん…待ってよ……」




翔くんは静かに目を閉じた。




「翔…くん……」














ピピピピ ピピピピ



私は目覚ましの音で
目を覚ました。


「夢…か……。」


気づいた頃には
私の目からは涙が零れ
枕はびしょ濡れになっていた。




「行かなきゃっ」



翔くんは今
どうなっているのか
不安になった私は
病院へと急いだ。




………………………………………

翔くん、待ってて
今行くから待ってて…

………………………………………






翔くんの部屋の前には
美玲と和也さんが座っていた。





「美玲っ!」


「春っ!」


「翔くんは?」


「まだ意識
戻ってないんだって。」


「嘘でしょ…。」


「先生もいつ目を
覚ますかわからないって。」






私の中には甘い考えがあった。


明日になれば
元気な翔くんに会える

そんな甘いことを考えていた。







部屋に入ると綺麗な顔で
スヤスヤ眠る翔くん。



「翔くん…。
ゴメンね…私のせいで…」

そんなことを言っても
目を覚まさないことは
誰もがわかっていた。


ただ、翔くんに
謝ることしかできなかった。




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