Real Love...?
病室の前には暗い面持ちの
美玲と和也さんが立っていた。
ゆっくりと二人に近づくと
美玲が私の傍へ駆け寄った。
「春…大丈夫?」
私は大きく頷いた。
「そっか…。
翔ね、一部の記憶が
失くなってるんだって。」
「…そぉなんだ。」
「先生が何か
強く想っていたことが
事故の衝撃で失くなったって…」
「…そっか。」
私はこの言葉に少し
救われたような気がした。
いつになく元気がない美玲。
これは私のせいだよね?
私のせいで美玲まで
苦しい思いをさせたくない。
私は笑顔で美玲に言った。
「美玲、ありがとう。
私、頑張るから…
翔くんに思い出して
もらえるまで頑張るから。」
美玲の目から涙がこぼれた。
「春……応援してるから。」
泣きながら笑う美玲。
いつもあなたが居たから
あなたが居場所をくれたから
私は一人じゃないと思えた。
「…美玲?」
「どうした?」
「だーい好き!」
「私もっ!
春だーい好きっ」
私たちは涙を流し、
抱き合いながら笑っていた。
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