Real Love...?
振り返るとそこには
あの男が立っていた。
「何で…?」
奇妙な笑みを浮かべながら
男は私に言った。
「手振ってるのに
君が無視するから
何となく来ちゃった♪
それより何かあったの?」
「別に、お気遣いなく!」
「君のそういうとこ
本当、可愛いね。
おいで。
いいとこ連れて行ってあげる♪」
そう言って私の手を掴むと
男はどこかへ歩きだした。
「えっ?
あの…ちょっと!」
「いいから♪
たまには
僕の言うことも聞いてよ♪」
私は言われるがままに
男の後へとついて行った。
何段もの階段を上ると
一つの扉の前で足を止めた。
キィィ
扉の向こうには
綺麗な青空が広がっていた。
「……綺麗。」
「だろっ♪
ついて来てよかったでしょ?」
「別に。
来たいなんて言ってないし!」
「素直じゃないね、君は♪
本当そういうとこ可愛い♪」
「お世辞ありがとう。
じゃぁ私忙しいから!」
振り返ると男が私の手を掴んだ。
「待って!
何もしないから。
俺は君と話がしたいんだ。」
今までにない真剣な表情。
私は何も言わず
彼の隣に座った。
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