Real Love...?
すると翔くんは
頭を抱えて苦しみだした。
「翔くん、大丈夫っ?」
頭が痛そうな翔くん。
「大…丈夫。
何かこんなこと
前にもあったような……。」
驚いたと同時に
嬉しさが込み上げてきた。
そう、それは
あの時と同じだった。
私が和也さんにキスをされた時
私は過去のことを思い出し
あの公園で一人で泣いていた。
そして私を追いかけてきた
翔くんは今みたいに優しい言葉を
私にかけてくれたのだった。
「翔くん、心配かけてゴメン。」
私はそう言うと
翔くんを支えながら
病室へと戻った。
嬉しかった。
過去の記憶が戻るかもしれない。
そう思うだけで
さっきまでの沈んだ涙は
嬉し涙へと変わっていた。
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