Real Love...?





しばらく眺めていると
翔くんが立ち上がった。



「俺そろそろ
検診の時間だから行くわ。」


「私もだっ!
翔一緒に行こうよ♪」


「はぁ?方向違うだろ!」


「じゃぁ下まででも
いいから一緒に行こうよ♪」


「勝手にしろ。」


「やったぁ♪」



嬉しそうな花梨ちゃん。


満更でもなさそうな翔くん。




私はこの時、
嫌な胸騒ぎを感じていた。





「はーるっ♪
そんな顔してどうしたの?」


「別に何でもないよ。」


「もしかして二人が
仲良いから妬いてるのか?」


「別にそんなんじゃっ…」


「わかったから。

俺達も仲良くしよっか♪」


私の肩に手を回し
奇妙に微笑む洋平。



翔くんに視線を向けると
平然とした表情で立っていた。



「洋平やめっ…」



言葉を発した時、
誰かが私の腕を引いた。




「残念だな。

せっかく春と二人きりで
仲良くしようと思ったのに」


「お前馴れ馴れしいんだよ。」




冷静に怒る翔くんの横顔。

愛おしくて仕方なかった。
掴まれた手からは
心地良い温もりを感じていた。





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