Real Love...?
いつもの様に
病院に行ったときだった。
ガラガラッ
中を覗くとあの子が立っていた。
「春さんこんにちは。
翔は今、診察ですよ♪」
「そぉなんだ。
花梨ちゃん診察は?」
「今日は朝からでした。」
「そぉなんだ。」
私は何を話していいのかわからず
棚の上にある花瓶を手に取った。
「私、水変えてくるね。」
そう言った瞬間、
花梨ちゃんが私の腕を掴んだ。
「待って…。
私、春さんに
言いたいことがあるの」
真剣な花梨ちゃんの瞳。
私は耐え切れず
得意の愛想笑いで言った。
「どうしたの?
私にジュース
買ってきて欲しいとか?」
「私、翔のことが好き…」
急な花梨ちゃんの言葉に
意外にも驚かない自分がいた。
そう、私も薄々は感じていた。
俯いて黙っていると
花梨ちゃんが話し続けた。
「話してるうちに
どんどん好きになって
翔のこともっと知りたいって
思うようになったんです。
翔が記憶を失くした理由
私に教えてくれませんか……?」
驚きと共に焦る自分がいた。
記憶を失くした理由。
再び蘇る罪悪感。
頭の中を整理させながら
私は重い口を開いた。
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