Real Love...?





花梨ちゃんの言葉は
私の胸を締め付けていた。



花梨ちゃんの立場だったら
私も同じ気持ちだったと思う。



花梨ちゃんの気持ちは
正しいからこそ何も
言い返すことができなかった。


私は複雑な
気持ちのまま部屋へ戻った。




少しドアが開いていたので
私は中を覗き込んだ。







目を疑った。



信じたくない自分がいた。







私が呆然と見ていると
翔くんと目が合った。




その瞬間、私は
全力で走り出した。






どこに行くのか
自分でもわからなかった。


ただ真っ白な頭に浮かぶのは
さっきの光景だけだった。


















翔くんと花梨ちゃんが
唇を重ねている光景。









記憶が失くなってからも
翔くんは傍に居てくれた。




私のことを想ってくれている

そう思って自惚れていた自分。




何もかもが嫌になった。




私は翔くんを
殺していたかもしれない。


私みたいな人間
居ちゃだめなんだ。




気づくと私は屋上にいた。



大粒の涙を流し
呆然と立っていた。




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