Real Love...?
頭の中は真っ白で
何があったのかわからない。
私はいつのまにか
フェンスを越えていた。
この頃、私の体はもう
限界だったのかもしれない。
何もわからないまま
下を見下ろすと
後ろから声が聞こえた。
「春ーっ」
その瞬間、私の体は
声の方へと引っ張られた。
我に返ると私は
洋平の腕に包まれていた。
「春…よかった……」
そう言いながら涙を流す洋平。
心が痛かった。
私はすぐに人を傷つける。
無意識のうちに
相手を困らせている。
「…洋平ごめん。」
洋平は私から離れると
優しく話を聞いてくれた。
そして、優しく
抱きしめてくれた。
その時、屋上の扉が開いた。
キィー…
視線を向けると
そこにはあの人が立っていた。
洋平は表情を変えて
その人に掴みかかった。
「お前、春のこと
どう想ってんだよっ
好きじゃねぇのかよっ」
あの人とは
紛れも無く翔くんだった。
「お前に関係ねぇだろっ
お前こそ何なんだよっ。
春に馴れ馴れしくして
お前こそ春のこと好きなんだろ」
「お前のこと勘違いしてた。
もう春に近づくな
春は俺が幸せにしてみせる。」
そう言うと、
洋平は私の体を
フェンスに押し付けた。
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