Real Love...?
「洋平、もしかして
今の全部演技だったの?」
「春、乱暴してゴメンな。」
「お前どういうつもりだよ!」
「その言い方はないだろ!
お前がぐずぐずしてるから
からかってやったんだよっ♪」
「はぁ?
お前もう一発殴らせろ」
「さっきちゃんと
殴らせてやっただろ!
今度春を手放したら
次は遠慮しないからな。
じゃぁお二人共お幸せに♪」
そう言うと洋平は
どこかへ行ってしまった。
「何なんだよあいつ…。」
少し微笑みながら言う翔くん。
「よくわかんないけど
翔くんさっきはありがとう。」
「あぁ。
さっきの見てたよな?」
「さっきのって?」
「ほら、あの…部屋で」
「あ…うん。
私気にしてないよ。
翔くんと花梨ちゃんが
仲良いのは知ってたから。」
「あのさ…」
「わかってる…
だから言わないで。
洋平の言葉は
気にしなくていいから。
その…何て言うか
花梨ちゃん良い子だから
翔くんにお似合いだと思う。」
気持ちとは裏腹な私の言葉。
翔くんが離れていく。
まだ信じたくない私の心。
複雑に入り混じる頭の中で
無意識に出した答えだった。
私は腹をくくり笑顔で言った。
「今までありがとう。
花梨ちゃんと幸せになってね。」
そう言うと私は
重い足を扉の方へ運んだ。
その時だった。
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