Real Love...?
「大丈夫か?」
顔を上げるといつになく
怖い表情の翔くんがいた。
私が頷くと、
翔くんは男の胸倉を掴んだ。
「お前、殺すぞ……?」
翔くんはいつもの
優しい翔くんではなかった。
男は凍りついたように固まり
額に汗を流していた。
「す…すいませんでした。」
翔くんが手を離すと
男達は電車を降りて行った。
「春、大丈夫か?」
いつもの優しい翔くん。
私は頷くと、頬に
何かが流れているのに気づいた。
「泣いてんのか?」
「泣いてないよ……。」
作り笑顔で言うと
翔くんは私の頭に手を置いた。
「泣いてんじゃん。
無理して笑うなよ。」
「…………。」
そして私たちは地元に戻ると
近くの公園へ向かった。
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