教室の眠り姫
「お前さ、あいつのことが好きなんだろ?」

ヤツは彼女を指差して言った。

「そんなんじゃねーよ」
「意地っ張りめ」
「っせーな!」

俺はそのまま机に突っ伏した。

「あいつはお前にとって、眠り姫ってとこだな」
「眠り姫?」
「そ。お前は王子。あいつはお姫様ってとこ?」
「ふざけてるだろ?」
「ぜーんぜん!」
「もうあっちいけよ!」

そう言うと、ヤツは自分の机に戻った。
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