妖艶な月光と甘美なる熱い蜜


「……ひゃあ…!」

ついに、転んでしまった。

んん…!と口が動く。


足を木にひっかけて、もともと歩きにくいスカートなんかはいているから、こけてしまったんだ。


馬鹿だなあ、あたし。

今日は、2年の記念日でお洒落、したのに。


あーあ…。悲しいよぉ…。

むくっと起き上がろうとした、が。


一瞬、駆け巡った戦慄が体をぶるっと震わせた。

目が、合った――…




そこにいたのは

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