向日葵の種


海が見える丘にそれは存在した。
独特の古臭い――カビくさい匂いが、扉をスライドした僕の鼻の中を刺激した。

「かまいやしないよ」

「先生……」


案の定、目的の生徒・中野ちこはそこにいた。
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