向日葵の種
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――ふわりと風が吹き、リンと風鈴の音を鳴らす。
家の中から漏れる電気でライトアップされた庭。
浮かび上がる向日葵の方を向いて、縁側に僕らは並んで座っている。


「怒ってる?」


僕らの間には赤が強い熟した、見るからに甘そうな西瓜がある。
婆ちゃんがわざわざ切り分けてくれたんだ。


「かなりな」

「えへっ。やっぱり?」


反省の色なんか少しも感じ取れない。
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