向日葵の種

弧を描き、それは黒い世界に吸い込まれていく。
ぽとり、と微かな音が、僕の耳に届いた。


「やっぱ、悔しいじゃない!私の好きな人の心をいつまでも掴んでいる千春さんが――だからおばさんに訊いて、一番此処に来れば千春さんのこと、知れるんじゃないかって。で、此処へ来たわけ」
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