出会い・白輝伝
一太達が住める場所
で一番近いのが、
地元住民の強い要請に
より山一つを自然の
状態で保存した
清水山自然公園がある。
そこへ行くには、
途中に交通量で有名な
国道や人通りの多い
場所を何カ所も通り
抜けなければならず、
まだ妖術も使えない
兄妖狐と幼い弟達には
徒歩三十キロの移動
は難しかった。
何回か楓の協力を得て
人通りの途切れる
夜間の移動を試みた
事はあるが、
楓が目増しの結界を
張れるのは、周囲
五キロがやっと
運が悪い事に通り道
八キロ地点には、
コンビニ・レンタル
ビデオ・飲み屋など
二四時間営業の店舗が
立ち並ぶ場所があり
人の姿に成れるものの
まだ耳としっぽは
隠せない一太たちは、
人目を引き酔っ払い
に絡まれ、獣姿で駆け
抜けようと試みれば、
狐が出たと人々が
大騒ぎで捕らえようと
動きだし三人は必死
に町中を逃げ回り
間一髪 楓が張る
結界内へと逃げ込ん
で助かっていた。
結界を張り子供達を
守る楓も周囲に移り
住んだ人々が、
無意識に解き放つ
負の気により日増し
にその霊力を失い
つつあった。
「痛い…」
二太の横に並び
座ろうとした一太が
小さく呻いた。
十日前の早朝いつもの
様に食べ物を探しに町中
を徘徊中ゴミ集積場で、
手にした空き箱の中に
食べ残した骨付き
空揚げを見つけた
うれしさに周囲への
警戒を忘れていた
一太は、後方から
聞こえた唸り声に
驚き振り向いた。
で一番近いのが、
地元住民の強い要請に
より山一つを自然の
状態で保存した
清水山自然公園がある。
そこへ行くには、
途中に交通量で有名な
国道や人通りの多い
場所を何カ所も通り
抜けなければならず、
まだ妖術も使えない
兄妖狐と幼い弟達には
徒歩三十キロの移動
は難しかった。
何回か楓の協力を得て
人通りの途切れる
夜間の移動を試みた
事はあるが、
楓が目増しの結界を
張れるのは、周囲
五キロがやっと
運が悪い事に通り道
八キロ地点には、
コンビニ・レンタル
ビデオ・飲み屋など
二四時間営業の店舗が
立ち並ぶ場所があり
人の姿に成れるものの
まだ耳としっぽは
隠せない一太たちは、
人目を引き酔っ払い
に絡まれ、獣姿で駆け
抜けようと試みれば、
狐が出たと人々が
大騒ぎで捕らえようと
動きだし三人は必死
に町中を逃げ回り
間一髪 楓が張る
結界内へと逃げ込ん
で助かっていた。
結界を張り子供達を
守る楓も周囲に移り
住んだ人々が、
無意識に解き放つ
負の気により日増し
にその霊力を失い
つつあった。
「痛い…」
二太の横に並び
座ろうとした一太が
小さく呻いた。
十日前の早朝いつもの
様に食べ物を探しに町中
を徘徊中ゴミ集積場で、
手にした空き箱の中に
食べ残した骨付き
空揚げを見つけた
うれしさに周囲への
警戒を忘れていた
一太は、後方から
聞こえた唸り声に
驚き振り向いた。