出会い・白輝伝
監督と呼ばれた男
は携帯に向かい
「とにかく‥急いで来て
くださいよ。この時間帯は、
環状6号の方が空いている筈
なのでそちらに回って、
場所判りますか。
はい…連絡は先程の番号で
これに繋がりますから
それじゃよろしく」
監督は切りのボタンを押し
携帯を胸のポケットに収め
ながら青年に尋ねる。
「なにが出た」
「とにかく見てくださいよ」
重機が止められライトの
明かりが一点に集中する
大きな穴の中8人程の
作業員が、埋没品に付いた土
をホウキで落としていた。
それは奇妙な光景だった。
直径二十センチ高さ
六十センチ程ある
陶器の壺を対角に置き
一坪程の広さに
六角型の空間を作り、
その中に大小さまざまな
岩が五個埋まっていた。
壺と岩にはそれぞれ
黒い細縄が十文字に
掛けてあった。
「どうします。監督」
助監督の青年が、記録用
のデジカメの電源を入れ
穴の中より埋没品を
指差し指示を仰ぐ。
「本社で頼んだお祓い屋に
電話したが、夕方の渋滞で
動けないとさ。環6に回って
来るよう言ったが遅く
なるな‥とりあえず
現場記録を撮影したら
全部引き上げて、
工事を進めよう。
しかし今日は厄日かぁ」
掘削機が調子悪く作業が
進まない上に埋没品騒ぎで
、予定がますます遅れる。
監督は眼下の埋没品を見て
近くにある飲み屋のオヤジの
話を思い出した。
は携帯に向かい
「とにかく‥急いで来て
くださいよ。この時間帯は、
環状6号の方が空いている筈
なのでそちらに回って、
場所判りますか。
はい…連絡は先程の番号で
これに繋がりますから
それじゃよろしく」
監督は切りのボタンを押し
携帯を胸のポケットに収め
ながら青年に尋ねる。
「なにが出た」
「とにかく見てくださいよ」
重機が止められライトの
明かりが一点に集中する
大きな穴の中8人程の
作業員が、埋没品に付いた土
をホウキで落としていた。
それは奇妙な光景だった。
直径二十センチ高さ
六十センチ程ある
陶器の壺を対角に置き
一坪程の広さに
六角型の空間を作り、
その中に大小さまざまな
岩が五個埋まっていた。
壺と岩にはそれぞれ
黒い細縄が十文字に
掛けてあった。
「どうします。監督」
助監督の青年が、記録用
のデジカメの電源を入れ
穴の中より埋没品を
指差し指示を仰ぐ。
「本社で頼んだお祓い屋に
電話したが、夕方の渋滞で
動けないとさ。環6に回って
来るよう言ったが遅く
なるな‥とりあえず
現場記録を撮影したら
全部引き上げて、
工事を進めよう。
しかし今日は厄日かぁ」
掘削機が調子悪く作業が
進まない上に埋没品騒ぎで
、予定がますます遅れる。
監督は眼下の埋没品を見て
近くにある飲み屋のオヤジの
話を思い出した。