出会い・白輝伝
虚の前で首を傾げて
いる青年の背中を
バシンと叩き現場監督
は、次ぎの現場へ移動
する為 残りの機材を
抱え車に向かう。
青年も背中を摩りながら
ヨロヨロと後を追った。
虚の中からふたつの
安堵の溜め息が漏れ
るが、発進の為掛けた
車のエンジン音に
かき消され、溜め息は
誰の耳にも届かなかった。
大型バンは、田んぼ道
を抜け住宅街を走り、
駅の反対側へと抜ける
河川脇の土手を
走っていた。
助手席の松っさんが、
運転をしている
青年に聞く。
「あれ見かけない
ジャージ着ている
子供が随分いる
ねぇ…松中のかい」
中学生の子供を持つ
監督が応える。
「あのジャージは確か
月森第二の指定品
だったな」
「月森がなんでいるんだ」
「さあ俺も知らん。
それより松っさん、
次ぎの現場だけど‥」
会話は仕事の話へと
変わっていった。
転
いる青年の背中を
バシンと叩き現場監督
は、次ぎの現場へ移動
する為 残りの機材を
抱え車に向かう。
青年も背中を摩りながら
ヨロヨロと後を追った。
虚の中からふたつの
安堵の溜め息が漏れ
るが、発進の為掛けた
車のエンジン音に
かき消され、溜め息は
誰の耳にも届かなかった。
大型バンは、田んぼ道
を抜け住宅街を走り、
駅の反対側へと抜ける
河川脇の土手を
走っていた。
助手席の松っさんが、
運転をしている
青年に聞く。
「あれ見かけない
ジャージ着ている
子供が随分いる
ねぇ…松中のかい」
中学生の子供を持つ
監督が応える。
「あのジャージは確か
月森第二の指定品
だったな」
「月森がなんでいるんだ」
「さあ俺も知らん。
それより松っさん、
次ぎの現場だけど‥」
会話は仕事の話へと
変わっていった。
転