出会い・白輝伝
「じいじが一緒に行く
と言うまでオレ達比処
にいる。絶対に比処から
出ないから‥オレ
絶対嫌だか‥ら」
後は一太の啜り泣く
声と二太の泣き声が
重なり聞こえるだけ。
白蛇が虚の側にかがみ
結界が張られた入り口
を手の平で撫でる。
突然結界が消え中に
居る一太が慌てるが、
気にも止めずに
話を始める。
「一太‥お前達の気持ち
も考えず少し事を急ぎ
過ぎたようだ。工事が
すぐに始まる訳では無い。
今宵我らは帰る。じぃじと
よく話合って、気持ちが
落ち着いたらじいじと
一緒に屋敷に来るがよい」
「本当」
一太が白蛇に応える。
「本当じゃ‥嫌がる者を
無理やり連れて行く訳
には行かぬ。老と一緒に
屋敷へ来い。ここより
ずうっと安全じゃ。
食べる物にも困らぬ人の
姿に脅える事もないぞ」
「うん…」
楓と離れることにならず、
ひと安心した一太は虚から
出ようとして、顔を
しかめた。足の傷が
痛み座り込んでしまった。
「足をどうしたのじゃ。
どれ見せてみろ」
白蛇が一太を虚の外に
出し足の傷を診はじめる。
「犬に咬まれた。」
血と汚れでゴワ付く
ボロ布を慎重に解くが、
うっかり傷口に触れる。
と言うまでオレ達比処
にいる。絶対に比処から
出ないから‥オレ
絶対嫌だか‥ら」
後は一太の啜り泣く
声と二太の泣き声が
重なり聞こえるだけ。
白蛇が虚の側にかがみ
結界が張られた入り口
を手の平で撫でる。
突然結界が消え中に
居る一太が慌てるが、
気にも止めずに
話を始める。
「一太‥お前達の気持ち
も考えず少し事を急ぎ
過ぎたようだ。工事が
すぐに始まる訳では無い。
今宵我らは帰る。じぃじと
よく話合って、気持ちが
落ち着いたらじいじと
一緒に屋敷に来るがよい」
「本当」
一太が白蛇に応える。
「本当じゃ‥嫌がる者を
無理やり連れて行く訳
には行かぬ。老と一緒に
屋敷へ来い。ここより
ずうっと安全じゃ。
食べる物にも困らぬ人の
姿に脅える事もないぞ」
「うん…」
楓と離れることにならず、
ひと安心した一太は虚から
出ようとして、顔を
しかめた。足の傷が
痛み座り込んでしまった。
「足をどうしたのじゃ。
どれ見せてみろ」
白蛇が一太を虚の外に
出し足の傷を診はじめる。
「犬に咬まれた。」
血と汚れでゴワ付く
ボロ布を慎重に解くが、
うっかり傷口に触れる。