出会い・白輝伝
「いま安住野が妖魔の
弱点を探しておる。
絖守が来るまで頼むぞ」
そう叫ぶと眼下の白蛇は
移動空間に消えた。
嵐鬼は背中の翼を強く
羽ばたかせ更に上空へ
と上がった。
足元がぐんぐん小さく
なり屋敷全体が、見渡せ
広大な敷地の入り口付近
に母屋の明かりが見える。
そのおく敷地中心が、
闇の中ぼんやりと
光っていた。
宮継の別名・楠木さま
の由来となる霊木・
楠木の霊気が闇を
照らしていた。
十分に高度を上げた
嵐鬼が目的地を目指し
スピードを早めた。
ブルッと身振いした洸
を気遣い訪ねる嵐鬼。
「洸、寒いか」
「大丈夫、もっと早く
して、チビ達が待てる」
いつのまにか空の月は、
雲に隠れ遠くから雷鳴
が聞こえ始めていた。
楓が頑張いるおかげで、
一太達はまだ無事だった
が、妖魔の執拗な攻撃は
続いていた。
虚の中で移動空間より
肩から上だけを出した
白蛇が一太の髪の毛を
抜き取り待っておれと
姿を消した。
枝の上で霊気を使い
妖魔の攻撃の邪魔をしていた
楓のそばに、白蛇が姿を現す。
「老…妖魔を引き離すゆえ。
いま一度結界を張り
なおしてくだされ」
白蛇が手の甲からうろこ
をはがし一太の髪の毛を
挟み、息を吹きかけると
一太に似た移し身
が姿を現した。
「行け」
白蛇の命令に移し身は
うなずくと、妖魔の
前に降りた。
弱点を探しておる。
絖守が来るまで頼むぞ」
そう叫ぶと眼下の白蛇は
移動空間に消えた。
嵐鬼は背中の翼を強く
羽ばたかせ更に上空へ
と上がった。
足元がぐんぐん小さく
なり屋敷全体が、見渡せ
広大な敷地の入り口付近
に母屋の明かりが見える。
そのおく敷地中心が、
闇の中ぼんやりと
光っていた。
宮継の別名・楠木さま
の由来となる霊木・
楠木の霊気が闇を
照らしていた。
十分に高度を上げた
嵐鬼が目的地を目指し
スピードを早めた。
ブルッと身振いした洸
を気遣い訪ねる嵐鬼。
「洸、寒いか」
「大丈夫、もっと早く
して、チビ達が待てる」
いつのまにか空の月は、
雲に隠れ遠くから雷鳴
が聞こえ始めていた。
楓が頑張いるおかげで、
一太達はまだ無事だった
が、妖魔の執拗な攻撃は
続いていた。
虚の中で移動空間より
肩から上だけを出した
白蛇が一太の髪の毛を
抜き取り待っておれと
姿を消した。
枝の上で霊気を使い
妖魔の攻撃の邪魔をしていた
楓のそばに、白蛇が姿を現す。
「老…妖魔を引き離すゆえ。
いま一度結界を張り
なおしてくだされ」
白蛇が手の甲からうろこ
をはがし一太の髪の毛を
挟み、息を吹きかけると
一太に似た移し身
が姿を現した。
「行け」
白蛇の命令に移し身は
うなずくと、妖魔の
前に降りた。