出会い・白輝伝
突然まばゆい光と
同時に轟音が鳴り渡り
大地が共鳴する。

驚き白蛇にしがみ
つく子供達。

「やれやれ、やっと来たか」

白蛇は結界を解き虚の
外へと出る。

目前には嵐鬼が落とした
雷に焼け焦げた妖魔の
死骸があった。

「みんな大丈夫~すごい
雨降りだね。嵐鬼の
雷落としもすごかったよ」

上から興奮した洸が、
嵐鬼に抱かれ降りて来た。

「老が体を張って、
頑張ってくれた。おかげで
子供達は無事じゃ。
久しぶりに見るお主の技も
見事なものじゃな…嵐鬼」

嵐鬼より降りた洸が、
黒焦げの妖魔に近づく。

誰もが妖魔の死を確信して
いたその瞬間それは三つの
眼を開け洸に襲いかかった。

嵐鬼が体当たりで阻止するが、
間に合わず妖魔は洸の両肩
を地面に打ち据えた。

焦げ臭い匂いと妖魔の
体臭が混ざり合う悪臭
に咳き込む洸。

嵐鬼が洸を押さえ込む
妖魔の首に腕を回し引き
はがそうと頑張るが
逆に腕を捕まれ降り
飛ばされ水飛沫を
あげ着地する。

洸は両手の平に気を集め
妖魔の顔に弾気を打つ。

ひるむ妖魔その隙に逃げる
が、足を押さえられた洸は
バランスを崩しうつ伏せに
転び泥水に頭から突っ込む。
背中に妖魔の重みを感じ
逃げようと足掻くが足を
捕まれ動けない。

「頭をさげろ」
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