出会い・白輝伝
「楠木。我に力を」
宮継家屋敷奥の楠木の霊気
がふわりと応える。
瞬間足元から真白き
光が絖守を包む。
両手で構えた刀身に
楠木の力を込め挑みかかる
天眼鬼を上段の構えで
切りつける。
バサリと音を立て霧散
する天眼鬼。
ぐらりと倒れ込む絖守を
榊が抱き支える。
幼少より病弱な絖守には、
霊木の霊気は強過ぎ体に
負担が掛かっていた。
「大丈夫ですよ」
「無理をさせました」
「宮継の勤めです。
気にせずに…んっ」
絖守の足元に溜まる泥が
モゾリと動いた。
人型がパチクリと瞬き
絖守を見つめる。
泥だらけの小さな手を絖守
に向け泥人形が泣き出した。
泣きながら泥水の中を
絖守に向かい這い進む
その声を聞きつけた
一太・ニ太が叫ぶ。
「妹…白蛇…妹いたよ」
それは死んだと思われた
妹狐だった。泥の中から
抱き上げられた妹は一才
ほどの赤ん坊の姿に変わり、
顔の泥を雨水で洗い落とし
てもらっていた。
絖守に抱かれた妹は駆け
寄る兄達・洸を見つけ
笑顔で笑った。
「いもうと…
おおきくなった~」
妹を抱く絖守の回りを
ピョンピュン飛びはね喜ぶ
ニ太を見た封気師達
はどっと笑う。
一緒に笑った洸が、安心
して本音を漏らす。
「よかったぁ~さっきは
弾気に当たり死んだと
思ったよ。でもどうして
消えなかったの」
宮継家屋敷奥の楠木の霊気
がふわりと応える。
瞬間足元から真白き
光が絖守を包む。
両手で構えた刀身に
楠木の力を込め挑みかかる
天眼鬼を上段の構えで
切りつける。
バサリと音を立て霧散
する天眼鬼。
ぐらりと倒れ込む絖守を
榊が抱き支える。
幼少より病弱な絖守には、
霊木の霊気は強過ぎ体に
負担が掛かっていた。
「大丈夫ですよ」
「無理をさせました」
「宮継の勤めです。
気にせずに…んっ」
絖守の足元に溜まる泥が
モゾリと動いた。
人型がパチクリと瞬き
絖守を見つめる。
泥だらけの小さな手を絖守
に向け泥人形が泣き出した。
泣きながら泥水の中を
絖守に向かい這い進む
その声を聞きつけた
一太・ニ太が叫ぶ。
「妹…白蛇…妹いたよ」
それは死んだと思われた
妹狐だった。泥の中から
抱き上げられた妹は一才
ほどの赤ん坊の姿に変わり、
顔の泥を雨水で洗い落とし
てもらっていた。
絖守に抱かれた妹は駆け
寄る兄達・洸を見つけ
笑顔で笑った。
「いもうと…
おおきくなった~」
妹を抱く絖守の回りを
ピョンピュン飛びはね喜ぶ
ニ太を見た封気師達
はどっと笑う。
一緒に笑った洸が、安心
して本音を漏らす。
「よかったぁ~さっきは
弾気に当たり死んだと
思ったよ。でもどうして
消えなかったの」