魔女の報酬
(4)前払い
「思ったより大きいわね」
岩陰からのぞくと、メディアは言った。谷を流れる川のほとりに、小山のように巨大で、いかにも獰猛そうなドラゴンが気持ち良さそうに昼寝をしていた。金色の鱗が日差しを跳ね返して煌めいている。
「うどの大木さ、君の手にかかればね」
メディアの側にいた王子が、こともなげに言い切った。長いさらさらの銀の髪は、邪魔にならないよう、いったん首筋で青い貴石のはめ込まれた銀製の髪留めで結わえ、後ろ背に流している。
「希望的観測を客観的事実にすり替えないでよね」
メディアが刺のある声で答えた。
だが、王子はメディアの言葉を意に介するふうもなく、いや逆に面白がっているようにくすくすと笑いながら、身軽く立ち上がった。それがまた当然のことながら、彼女の神経を逆撫でした。
「どうする気よ」
「ドラゴンはただいまお昼寝中だ。今のうちなら、僕一人でも何とかなるかもしれない」
岩陰からのぞくと、メディアは言った。谷を流れる川のほとりに、小山のように巨大で、いかにも獰猛そうなドラゴンが気持ち良さそうに昼寝をしていた。金色の鱗が日差しを跳ね返して煌めいている。
「うどの大木さ、君の手にかかればね」
メディアの側にいた王子が、こともなげに言い切った。長いさらさらの銀の髪は、邪魔にならないよう、いったん首筋で青い貴石のはめ込まれた銀製の髪留めで結わえ、後ろ背に流している。
「希望的観測を客観的事実にすり替えないでよね」
メディアが刺のある声で答えた。
だが、王子はメディアの言葉を意に介するふうもなく、いや逆に面白がっているようにくすくすと笑いながら、身軽く立ち上がった。それがまた当然のことながら、彼女の神経を逆撫でした。
「どうする気よ」
「ドラゴンはただいまお昼寝中だ。今のうちなら、僕一人でも何とかなるかもしれない」