華龍〜華麗に舞え

月に声を掛けようと小走りになる


でも、私の足は声を掛ける前に止まったんだ・・・


月の腕に絡まっている白く細い腕を見てしまったから

月と腕を組ながら歩いている女・・・


綺麗長い髪

細い足

形のいい唇


その人が笑いかけると月も微笑みを浮かべその人の頭を優しくなでる・・・


何で?


どうして?


それは私だけじゃなかったの?

私の想い一方通行だったの?

月の仕草・・・


月の言葉・・・・


月のキス・・・


そこに愛はなかったの?


好きって

愛してるって

たくさん言ってくれたのも
全部・・・全部・・・


嘘だったの?



立ちすくむ私を置いて2人はホテルに入って行った
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