道草なかま。
「あたし達には絶対ムリだよね。」
「だな。」
基本、適当なあたしと真鍋には到底まね出来ないよ。
「おーい!
真鍋〜!沙月〜!
喋ってねーでさっさと来いよ!!」
遠くの方にある、野球がいつも使ってるグランドから、
良く言えば通った、
悪く言えば馬鹿でかい、
夏川太一の声が聞こえてきた。
太一は、元気だけが取り柄の同じクラスのやつ。
ていうか、なんでこの距離で普通に声が届くんだろ?
近くにいる人はきっとすっごくうるさいんだろうな…。
かわいそうに…。
「はは、何やってんだあいつ!
変な踊りおどってるし!」
必死にあたし達を呼ぼうと、両手をブンブン振りながら跳びはねてる。
確かに、変な踊りに見えないことも無いな。
「太一ーーー!!!
その踊りキモーーーい!!!」
お腹から息をめいいっぱい吐き出して叫んだ。