道草なかま。
「じゃあ、あのダサボーイ誰だよ?」
「知らなーい。
俺、男に興味無いもん。」
「俺もねーし。」
「それなら知らなくても仕方ないよ。」
「そうだよな〜。」
いやいやいや、
そういう問題じゃないだろ!
「渡辺君でしょ。」
見兼ねた鈴木が、二人のアホな会話を止めた。
「あ〜、渡辺か!」
「渡辺君ね〜!」
この二人絶対知らなかったよね?!
なのに今さりげなく知ってるフリしたよね?!
「今日練習しないの?」
たしかに!
「そうね。
南しきってよ。
ここ、バカが多すぎて私には無理。」
さりげなく酷い事を言う鈴木。
あたしみたいにアホじゃない子もいるのに!!
「ああ。
とりあえずポジション決めからしよう。
みんなやりたいポジションとかある?」
「……俺ファースト。」
今日初めて会話に参加した秋麻。
「そういえば秋麻は部活でもファーストだよな。
でもそこは初心者に譲ったほうが良くないか?」