芸大生恋物語
オレ登場、そして留年
日本は平和である。
地球の裏側では貧困にあえぐ人々が日々の糧を奪い合い、裸足の孤児や、四肢のいずれかが破損した乞食や、日夜弾薬が飛び交う戦争や、情け容赦のない強盗や、乱立するワラの家や、蔓延する未知のウイルス、そしてボットン便所であふれている。
それに比べて我が故国日本のなんと平和なことか。
水と安全がただで手に入る。それがどれだけ幸せなことか、実感出来ている人間の少なさこそが日本が世界でもっとも平和なことの証明ではないだろうか。
「そう思いませんか?」
「それと君の出席日数が足りないことのどこに関連性があるのかわからない」
あと地球の裏側はブラジル南部の沖の大西洋だから、国はないよ。という教授の言葉を背に受けながらオレは研究室を出た。
故郷を出て関西の田舎にある芸術大学に入学し、早2年。
地球の裏側にある大西洋の平和を憂いていた隙に、オレの出席日数は減少してしまっていたらしい。
具体的に言うと進級できないくらいに。
地球の裏側では貧困にあえぐ人々が日々の糧を奪い合い、裸足の孤児や、四肢のいずれかが破損した乞食や、日夜弾薬が飛び交う戦争や、情け容赦のない強盗や、乱立するワラの家や、蔓延する未知のウイルス、そしてボットン便所であふれている。
それに比べて我が故国日本のなんと平和なことか。
水と安全がただで手に入る。それがどれだけ幸せなことか、実感出来ている人間の少なさこそが日本が世界でもっとも平和なことの証明ではないだろうか。
「そう思いませんか?」
「それと君の出席日数が足りないことのどこに関連性があるのかわからない」
あと地球の裏側はブラジル南部の沖の大西洋だから、国はないよ。という教授の言葉を背に受けながらオレは研究室を出た。
故郷を出て関西の田舎にある芸術大学に入学し、早2年。
地球の裏側にある大西洋の平和を憂いていた隙に、オレの出席日数は減少してしまっていたらしい。
具体的に言うと進級できないくらいに。