芸大生恋物語
我が大学の食堂はメニューも量も平均の域を出ないが、値段だけは安い。
特に代表的なメニューであるカレーは、プレーンで160円、コロッケカレーが200円、カツカレーが230円と激安だ。
ただし味は値段に見合ったものだ。つまりは激不味だ。
学長はブログで絶賛するほど気に入ってるようだが、逆に学長はたいしたものを食べていないのではないかと心配する生徒が増えるほど不味い。
安さに釣られて注文する生徒は多くとも、味を評価する生徒にオレは一度も出会ったことがない。
まあ給料日前で財政的に窮地に陥っているオレの目の前にあるのはカツカレーなわけだが。
「カツカレーを注文するたびに思うのは、どこの馬鹿がこのハムカツを恥知らずにもカツと呼び販売しているのかだ」
「気持ちはわかるけど懲りずに買うあんたの気持ちはわからん」
「いつか食堂のおばちゃんたちが自らの過ちに気づき、本物の肉汁煽るるジューシーなカツを出してくれる日が訪れるのを信じているからだ」
「その日が来たらあんたの寒い懐では出されへんくらいの値段になってると思うよ」
「希望を捨てたら人間は腐る」
「あんたのは願望や」
オレのおばちゃんたちへの期待を理解出来ないみのりのメニューは鶏南蛮だ。
値段を削り落とすために味も削り落としているこの食堂で、数少ない安心して食べることができるメニューの一つである。
そのかわり値段の方もそれなりなのだが、オレと同じく給料日前で苦しいはずのみのりは食と絵にかける金だけは削らないと誓っているらしく、こいつがこの食堂のカレーを食っているところを見たことがない。
「しょうみな話、どうすんの?これから」
「実際、親はたぶん留年は許してくれると思う。単位足りてないのは後期だけだから、来年度の前期休学して後期からまた2回生だね」
このまま3回生になり、4回生まで通常どうりに履行して最後の半期だけ2回生をやりなすこともできるが、半期だけ後輩と一緒に授業を受けるというのも気不味いものがある。
それならいっそ早い段階で後輩と一緒に2回生からやり直した方が馴染めるというものだ。
しかしみのりはオレの決断に不満があるらしい。
特に代表的なメニューであるカレーは、プレーンで160円、コロッケカレーが200円、カツカレーが230円と激安だ。
ただし味は値段に見合ったものだ。つまりは激不味だ。
学長はブログで絶賛するほど気に入ってるようだが、逆に学長はたいしたものを食べていないのではないかと心配する生徒が増えるほど不味い。
安さに釣られて注文する生徒は多くとも、味を評価する生徒にオレは一度も出会ったことがない。
まあ給料日前で財政的に窮地に陥っているオレの目の前にあるのはカツカレーなわけだが。
「カツカレーを注文するたびに思うのは、どこの馬鹿がこのハムカツを恥知らずにもカツと呼び販売しているのかだ」
「気持ちはわかるけど懲りずに買うあんたの気持ちはわからん」
「いつか食堂のおばちゃんたちが自らの過ちに気づき、本物の肉汁煽るるジューシーなカツを出してくれる日が訪れるのを信じているからだ」
「その日が来たらあんたの寒い懐では出されへんくらいの値段になってると思うよ」
「希望を捨てたら人間は腐る」
「あんたのは願望や」
オレのおばちゃんたちへの期待を理解出来ないみのりのメニューは鶏南蛮だ。
値段を削り落とすために味も削り落としているこの食堂で、数少ない安心して食べることができるメニューの一つである。
そのかわり値段の方もそれなりなのだが、オレと同じく給料日前で苦しいはずのみのりは食と絵にかける金だけは削らないと誓っているらしく、こいつがこの食堂のカレーを食っているところを見たことがない。
「しょうみな話、どうすんの?これから」
「実際、親はたぶん留年は許してくれると思う。単位足りてないのは後期だけだから、来年度の前期休学して後期からまた2回生だね」
このまま3回生になり、4回生まで通常どうりに履行して最後の半期だけ2回生をやりなすこともできるが、半期だけ後輩と一緒に授業を受けるというのも気不味いものがある。
それならいっそ早い段階で後輩と一緒に2回生からやり直した方が馴染めるというものだ。
しかしみのりはオレの決断に不満があるらしい。