芸大生恋物語
「お疲れ。今日はどしたの?ヒマなの?」
逆流してきそうなカレーを怪しげなホームページで習得した気功の力でねじ伏せているオレの隣に座り、話しかけてきたのは加賀夏目。
同じ時期にサークルに入った同回生で、二年浪人した二歳年上の女性である。
「まあそうね。ヒマつぶし」
今更ながらオレの所属するサークルは軽音楽部だ。
入学式後にふらふらと校内をさまよっていたら先程丼酒を振舞ってくれた先輩につかまり、部室へ連行され、慣れぬ酒で意識が落ちて気がついたら次の日になっていたという意味の分からないことが起こったのだが、アルコールに汚染されたオレの脳はこれを天啓と受け取り、起床後すぐに入部届けを提出したのだった。
入部してしばらくはあのときのオレの脳をミルクと一緒にミキサーにでもかけてやりたい気分だったが、今では本当に天啓だったのではないかと思っている。
無茶苦茶をするのが楽しいのだ。
「よう、初っ端から飛ばしてんな」
「飛ばしてんじゃなくて飛ばされてんですよ」
夏目の隣から話しかけてきた田島翔平さんに言い返す。
この人は一年先輩で三十人ばかりいる先輩の中で一番仲良くさせてもらっている先輩だ。
もちろん最初の駆けつけイッキで全裸になった。というか今も全裸だ。
「じゃあ自分から飛べるように飲まなきゃ!乾杯!」
夏目は酒豪である。
そして男の全裸に動じない。
これらの特性はこのサークルにいる女性がすべからく保持しているもので、取得できなかった女性はみな辞めていく。
二年もこのサークルに残っている時点でもう変人なのだ。
逆流してきそうなカレーを怪しげなホームページで習得した気功の力でねじ伏せているオレの隣に座り、話しかけてきたのは加賀夏目。
同じ時期にサークルに入った同回生で、二年浪人した二歳年上の女性である。
「まあそうね。ヒマつぶし」
今更ながらオレの所属するサークルは軽音楽部だ。
入学式後にふらふらと校内をさまよっていたら先程丼酒を振舞ってくれた先輩につかまり、部室へ連行され、慣れぬ酒で意識が落ちて気がついたら次の日になっていたという意味の分からないことが起こったのだが、アルコールに汚染されたオレの脳はこれを天啓と受け取り、起床後すぐに入部届けを提出したのだった。
入部してしばらくはあのときのオレの脳をミルクと一緒にミキサーにでもかけてやりたい気分だったが、今では本当に天啓だったのではないかと思っている。
無茶苦茶をするのが楽しいのだ。
「よう、初っ端から飛ばしてんな」
「飛ばしてんじゃなくて飛ばされてんですよ」
夏目の隣から話しかけてきた田島翔平さんに言い返す。
この人は一年先輩で三十人ばかりいる先輩の中で一番仲良くさせてもらっている先輩だ。
もちろん最初の駆けつけイッキで全裸になった。というか今も全裸だ。
「じゃあ自分から飛べるように飲まなきゃ!乾杯!」
夏目は酒豪である。
そして男の全裸に動じない。
これらの特性はこのサークルにいる女性がすべからく保持しているもので、取得できなかった女性はみな辞めていく。
二年もこのサークルに残っている時点でもう変人なのだ。