鬼殺し
俺達、なんでこんな所にいるんだっけ……
仁史は対面の壁に背をもたせかけて目を瞑っている男を見た。
「意識が戻ったか……」
「冬耶〈トウヤ〉……?」
彼はほっそりと目蓋を持ち上げて仁史の顔を見た。
ぐしゃぐしゃの茶髪が顔を覆い、血の気のない顔がいつもの冬耶とは別人に見えた。
「この入り口に二体の死体が転がっている。
だが、絶対に見ちゃいけない」
そう言って冬耶は自分の黒皮のジャケットの端をぎゅっと掴んだ。
「死体……?」
仁史は対面の壁に背をもたせかけて目を瞑っている男を見た。
「意識が戻ったか……」
「冬耶〈トウヤ〉……?」
彼はほっそりと目蓋を持ち上げて仁史の顔を見た。
ぐしゃぐしゃの茶髪が顔を覆い、血の気のない顔がいつもの冬耶とは別人に見えた。
「この入り口に二体の死体が転がっている。
だが、絶対に見ちゃいけない」
そう言って冬耶は自分の黒皮のジャケットの端をぎゅっと掴んだ。
「死体……?」