鬼殺し
そう言われてふと気が付いた。

血の匂い、腐敗臭

そして薬品の匂いから

絶望の匂い、囚われの身の圧迫感……

これはなんなんだろう……

まだ冷めない悪夢の中を漂っているような気持ちで、仁史は辺りを見渡そうとした。

そんな仁史を遮るように、冬耶は問いかけてきた。

「なぁ、お前ここに来る直前の記憶はあるか?」
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