のら
「ねぇ…」

「何?」

「あんなに人がいたのに、どうして私なの?」

「ん~…」

めんどくさそうに少し考える望。

「気まぐれ」

はいっ?

「気まぐれ…?」

「なんとなく?」

ニッコリ笑顔で返してきた。

『気まぐれ。』
『なんとなく。』
 
ですか。

“何か”を期待してたわけじゃないけど、
なんかすっごくガッカリな気分。

それから数分。

目の前には自分の家。
マンションですが。

「こ、ここ」

「へぇ~結構いいとこ住んでんじゃん♪」

「3階…」

緊張して
単語チックになってしまう。

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