のら
「あ、おはよぉ」

一瞬だけ私と目を合わせて、
望の視線はすぐニュースに戻り、

「水、もらったから」

ローテーブルにちょこんとのっかってるペットボトルを、
私に見せるように少し持ち上げた。

「う、うん…」

なんか、
昨日と違う感じが…。

昨日は甘えん坊で人懐っこい感じだったのに…、

何?!
このサッパリ感!!

「あ、あと洗面所借りた」

「あ、うん…どうぞ…」

確かに、
髪型直ってる…。

ってか…、

なんか…、

気まずい。

昨日の感じとは全く違う、この空気。

小悪魔スマイルの一つもないぞ。

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