のら
「絢!」

見覚えのある顔が私を出迎えた。

私の部屋のドアの前。
大きなバッグの上に座ってる…、

「望…」

な、なんで…

「おかえりぃ♪」

って、
のんきな笑顔の望が、
待ってましたと言わんばかりに立ち上がって、
私を歓迎する。

「ここで…、何してるの?」

「何って、絢の帰りを待ってたんだよ♪」

「なんで…?」

「なんでって…、あ、ちょっとまって」

望がパーカーのポケットから携帯を出して、
画面を確認する。

チラッと見えた携帯の画面には…

着信中の文字と、
携帯番号。

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