のら
「ご飯できるまでまだ時間あるし、荷物置いてきたら?」

「そうする♪絢、ありがとう!」

望が嬉しそうに言う。

持参したおっきな荷物を持って、

「あ、そういえば」

すれ違い際、
何かを思い出したように望の足が止まる。

「絢と元彼って一緒に寝てなかったんだ?」

「…!な、な、いきなり何っ」

「元彼の部屋にベッドがあったから」

「そ、それは、仕事で疲れた時とかに使う…、
そう、仮眠用のベッドで、普段は一緒に…、
って…、変なこと聞かないでよ!」

「クスッ。絢いじめるの楽しい♪
じゃぁ、俺部屋にいるからごはんできたら呼んでね」

そう言って、
満足げな笑顔の望はシュン君の部屋に。

複雑な気持ちになりながらも、

不思議と望に対して甘い自分にため息をつきながら、
私はキッチンに放置してあるレジ袋にやっと手をつけた。

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