のら
おっ?
あきらめてくれた?

今のうちにっ!

私が歩く速度を上げようとした時…

「キミ…俺のタイプなんだよね~。好きになりそう!」

少し後ろから聞こえてきた声。

え?

意外なセリフに、
おもわず足が止まる。

明らかに軽くて、
気持ちなんか全然感じられない言い方だった。

「好きになっていい?」

声が近づいてくる。

好きって…

簡単に好きとか言うなんて…

言われるなんて…

嫌な思い出が頭をよぎる。

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