ハート・オブ・ピンク
1章

第1ページ

「ねぇ、あの人カッコ良くない?」


「またぁ?結は誰でもいいの?」


友達が呆れた顔で言う。


「いいじゃん!」


その声なんて、聞こえてるようで聞こえてはいない。


高校2年の春。

廊下で、ちょうイケメンを見つけた。


かっこいい!



「あきらめなよ。中1のトキだってそうだったでしょ?」



あ・・・・。


そうだった。



私、篠原 結は恋に燃える高校生だが、
同時にかなりの奥手。



カッコイイって思っても、実際告白する勇気がない。

そして、更に
いつもどこかで間違ってしまう。


例えば、話しかけようとして
行っても、


「あははは。」



と、意味不な笑みを浮かべ
立ち去ってしまうのだ。



高1のトキの大失敗。


1年間の片思いも枯れ葉として散ったのだ。
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