大切なもの
蒼「車。」
華「はっ?蒼が運転すんの?」
蒼「んな訳あるか。運転手が運転すんの。」
華「なぁーんだ。」
倉庫に1台の黒いベンツがあった。
蒼「はやく乗れ。」
華「あっ、うん。」
蒼「出ろ。」
蒼がそう言うと、車が走りだした。
何分か無言の時間が流れた。
蒼「お前ん家の場所教えろ。」
華「なんで?」
蒼「家まで送るからだろうが。」
華「ああ、そういうこと。じゃあ、そこの公園でいいよ。家から近いし。」
蒼「家までだって言ってんだけど。」
華「わざわざ家まで来なくて大丈夫だから。」
こんなやり取りが何分か続いた。
蒼「わかったよ。じゃあ、そこの公園な。」