セカンド×ショート
前まではみんな私より小さい子ばかりだったが、今は逆だ。
みんな上手くてコーチも
厳しくなっている。
私は不安ながらに練習に参加した。
キャッチボールの相手が居なくて困ってしまった。
みんな私より年上だったから
何も言えずオドオドしていた。
そんな私を見て、
「光ちゃん、キャッチボール
一緒にしよ!」
と誘ってくれたのは1つ上の
春奈ちゃんだった。
春奈ちゃんは私の世話を良く
見てくれ、高学年チームの輪に溶け込むキッカケを作ってくれた。
男の子ばっかりだけど休憩の時はみんな一緒にお茶飲んで
変な会話したりして楽しかった。
ノックの時、前まで外野を
守っていた私をコーチが内野へ回した。
「今日からお前は内野だ。
拓、ショート教えてやってくれ!」
「はい!」
拓は1つ上。
「よろしくお願いします。」
私はペコリ頭を下げた。
「俺の後に着いてきてな」
少し面倒そうな顔だった。
「はい。」
私は足を引っ張らないようにしようと思った。