セカンド×ショート
けど、そうはいかなかった。
拓はコーチが打ったボールを
綺麗な形で裁き、ファーストへ軽やかに送球する。
それに対して私はボールをポロポロ落とし、送球も暴投ばかりだった。
そして内野は外野と違って
ベースカバーも重要だ。
拓に着いていくが動きが早くて
外野からの返球もちゃんと取れずにいた。
拓はその私のそらしたボールを何回もカバーしてくれた。
何とかノックが終わりダウン。
私の心の中は、自分のできなさに悔しくてでズタズタだった。
私は拓に謝りに行った。
「拓、ごめんなさい。」
思わず泣いてしまった。
「うぇーん!!!」
「下手くそ。バーカ」
私は更に傷付きワンワン泣いた。