*Heart drop game* ―ハート落としゲーム―
アタシが席に着くと、皆が席によってくる。

「麗那、昨日のテレビ…」
「麗那ー!今日は水泳があるぜー!」
「おっしゃあ!麗那の水着姿見れるじゃん!」
「でも、女子とは別々じゃなかったけ?」
「あああー!!そうだった!!」

男子たちがアタシにものすごく話しかけるので、実琴の声が掻き消されてしまった。

「ちょっとアンタらうるさい!実琴の話が聞こえないじゃない!」

その瞬間、男子たちが一気に黙り、教室中が静まり返る。

「ん、実琴なに?」

男子に埋もれていた実琴は机からひょこっと顔を出した。

「えーと、こんなに静まり返ってると喋りにくいよ」
「そう?男子たち、もっと気を使いなさいよー、極端なのよ」

そういいながら、隣に立っていた男子をバシッと叩いた。

「いってえ!」

教室からドッと笑いが起こる。

「これくらいなら、喋りやすい?」
「うん。さすがだね」

アタシと実琴はお互いにピースをした。
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