*Heart drop game* ―ハート落としゲーム―
「図書室はこっち!」

英汰くんの手をひいて、図書室へと向かう。
さりげないボディータッチと親切でメロメロ!
に、なるはずもなく。
いつもは、こんな感じでコロッといってくれるのになあ。

ガラガラッ

図書室のドアを開けて中へと入る。

「で…、英汰くんは図書室に何の用?」

すると、英汰くんはアタシが開けたドアをピシャリと閉めた。

「やっと、二人きりになれた」

思いがけない英汰くんの返事。

「え?」

ワケが分からないアタシは気の抜けた声を出す。
今の声は可愛くないやぁ…。

「お前、麗那だっけ。学校一モテるの?」
「え、えーと。そうよ!」

なんだか口調が変わって、俺様風に…。
てか、さっきの無口な英汰くんはどこにいった!?

「で、学校でまだ俺だけを落としてない…だから俺を落とそうと必死になってるわけ?」

ギクリ

全部バレてる!?
ちょっとあわてた。
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