《アタシだけの王子様》
「ナナ、ほら、王子だよ」

アタシたちの前を王子が通り過ぎる。
アタシの親友の真美ちゃんは、アタシの肩をバシバシ叩いて喜ぶ。

「朝から見ちゃった!今日はラッキー」

真美ちゃんは顔をほころばせる。



あ、紹介遅れてごめんあそばせ。
アタシ、七瀬拓海。
みんなにはナナって呼ばれてる。
だって拓海なんて男みたいな名前。
好きにはなれないもん。



「てか王子なんかのどこがいいのよ?」


アタシは呟く。
< 2 / 7 >

この作品をシェア

pagetop